流れ星の管理人

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 この仕事を初めて三ヶ月ぐらいになる。  丁度プライベートがズタズタで、何もかもが嫌になっていた時だった。  いっそ死んでしまおうか、とも思っていた。  やけ酒を煽った後、ふらふらになった僕はどこかで座り込んでいた。  そこへ話しかけてきたのが彼だ。  彼は須田と言った。  小柄で頭も薄くなった腰の低い男だった。  人の遊佐相な笑顔につられて、僕はペラペラと色々喋ってしまった。  すると彼は、いかにも同情したようにひとしきり僕を慰めた後、いっそ全然別の場所で働いてみませんかと言い出したのだ。就職のあてが無いと言うと、自分の後を継いでほしいと彼は言った。 「僕にできますか?」 「難しい事じゃありません。もしも合わないと思ったなら、あなたも後釜を見つけて早々に後退すれば良いのです」  須田の人の良さそうな笑顔を見ていると、僕を騙そうとしているようには思えなかった。  だからついてきたのだ、彼の職場であるこの場所に。
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