流れ星の管理人

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 ここがどこなのかは須田自身も知らなかった。  ただ、繁華街の雑居ビルの一室にある扉を開けると、この場所に繋がっているのだ。  ちなみにその扉は扉だけで僕の背後に立っている。  あそこを開ければ、いつでも帰る事が出来る。 「流れ星を作り、お願い事を報告する。ただそれだけです」 「それだけ?」 「ええ、簡単でしょう?」 「……そうですね」  須田の話によれば、給料もきちんと貰えるらしい。  話してくれた金額は悪くない物だった。 「一つだけルールがありまして、ここでの事は他言無用です」 「言っても信じて貰えなさそうですね」 「ですが、万が一という事もありますから」 「分かりました」  僕が言うと、須田はにこっと頷いて手を差し出してきた。 「頑張ってください」  いつの間に交代することになっていたのだろう。  一瞬躊躇したが、酒の力もあって僕は彼と握手した。
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