海辺のおじいさん

1/12
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
雨が叩きつけ、風が木をなぎ倒す夜。一人の青年が息を切らして岬に走ってきた。青年は人ひとり通るのがやっとの朽ちた階段を下り、海まで走った。 汚れや破れで、着ている服はボロボロだ。 青年が海に着くと、そこには誰もいなかった。 激しい雨が、一人立つ青年を打った。 優しい波が、流れた汗も涙も海へとさらっていった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!