あなたのお好みはどれくらいの焼き加減?

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「ねぇ、もし私がガンで亡くなったらどうする?」 「最高火力でお願いするよ」 「火力から離れて」 「う〜ん、骨を持ち帰って枕元に置いて、毎晩一緒に過ごすよ」 「悪くないわね」  犬になれば欲望むき出しで行動していると思う。その時は犬になる方法を考えよう。 「私は骨をあなたのと入れ替えて、あなたに包まれながら第ニの人生を歩むわ。どう? 素敵じゃない」 「焼いた後のを??」 「嫌なの?」 「いや」 「嫌?」 「いいや! それは、とっても素敵だ」 「あぁ!」  箸でお好み焼きの下をごしごししていた。 「また焦げた」  はぁとため息をつきながらまだ片面しか焼けていないお好み焼きを、箸でかき集め器用に僕の皿に盛り付ける。  そして油をまんべんなく塗りたくった後、新しい生地をボールから移し焼き始めた。
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