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その後、僕達は病院へ行き、犯人を無事に逮捕したことを山中さんに伝えた。
「ありがとうございます!! さすがは警察官さん……。凄く、頼りになります」
「いやあ、それほどでも」
はっはっは、と大きく笑う先輩。
それを潤んだ瞳で見つめる山中さん。
なる程、七夕の日に牛を制した先輩はさしずめ彦星。
織姫が熱い視線を送ってしまうのも無理はないって事か。
「なに、にやにやしているんだ」
先輩に見とがめられて、僕は慌てて表情を戻した。
「それでは、また何かあれば遠慮なく仰って下さい」
「はい……是非」
織姫……いや、山中さんのほっぺが赤いのは、見間違いではあるまい。
「おい、行くぞ」
「はい」
病院を出たところで、僕は試しに先輩に行ってみた。
「よっ、彦星」
「からかうんじゃ……ねぇ!!」
ガツンっとという音と共に綺麗な星が目の前を飛んだ。
僕に降ってきたのはホシじゃなくて先輩のゲンコツだった。
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