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でも見せたいと思ってしまった。見てほしいと思った。あいつと一緒に、俺が、同じ星を見たいと思った。
こんな風に思うなんて、いつの俺が想像しただろう。
形を重視した復興に違和感を感じていた。不要不急なものは後回し。それも正しいとは思う。けれど全てとするにはあまりにも、色んなものを取りこぼしている気がした。
そんな時に、初めてあいつと挨拶以外の話をした。
その前はただ、目の見えない奴だという認識しかなかった。俺と違って大抵にこにこして、穏やかそうで人当たりのいい。自己主張やわがままなんて、言葉すら知らなさそうだった。
けれどあの日、たまたま家の前を通りかかったところで夏希さん呼ばれて、ちょっとご飯を仕上げて一緒に食べていってくれないか、と頼まれた。急に用事ができてあいつが家に一人になる、昼食時だが最後に火を使わないといけない、と。
いつもよくしてくれる夏希さんの頼みでは断るのも申し訳なく、引き受けたはいいものの、話すべき話題に困ってしまった。
当たり障りのない世間話をして、それでもご飯の途中にネタが尽きて、何かないかと開いた口から出た、したいことはないのか、という問い。
あいつは迷うことなく答えたのだ。
「星を見たい」
と。
俺は心底意外に思った。
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