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 激しい音を立てて、小さな機械が揺れる。  爆発しやしないだろうか。若干の恐怖を感じて距離を取るが、しばらくすると静かになって、代わりに、ぴきぴきと電球が音を立てた。  ふわっと、周囲が明るくなる。 「――ついた」  自然と息がもれた。  集めて、繋げて。これで第三段階はクリアだ。あとは吊るすだけ。  本番で使えなくては意味がない。機械のスイッチを押すと、ぶるん、と文句を一つ、あっさりと目を閉じてくれた。  すうっと暗闇が訪れて、ランタンの橙だけがぼんやりとあたりを照らした。  すすけた高い窓からぼんやりと月が見える。あいつもまた、見ているだろうか。光は感じるらしく、晴れていれば太陽はいつでも、年に何度か、月も分かると言う。 「明日は満月だな」 「じゃあ見えるね」  こういう話を外でしていると、おかしなものを見るような目を、もしくは俺に対してあからさまな嫌悪の目を向けられることがある。  目が見えない人間に対して、とでも言いたいのだろうが、それこそが差別なのだとどうして疑わないのだろう。あいつにとっては間違いなく見えているのに。  ただあいつが、俺と同じように星を見られるようになるのは、たぶん難しい。崩壊する前の世界ならいざ知らず、大した知識も技術も設備もない今の世界では、かなり高い確率で。
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