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「僕も今は天涯孤独の身だからさ、君たちの兄か父親代わりだとでも思ってくれたら嬉しいけど」
「えっ、そう思ってもいいの? あの二人はまだまだ手が掛かりそうだから助かる」
「もちろんだよ。あーあ・・・のえるが僕のプロポーズを受け入れてくれてたら、幸せにする自信はあったんだけどなぁ」
冗談なのか本気なのか・・・。
気まずい空気に気を遣ってくれただけかもしれないけど。
「俺、幸せだよ。小野寺さんと立夏がいてくれて、思いっきり好きだって言っても生きててくれるXIIIがいて。・・・ありがとう」
「そうか、よかった。のえるが幸せだと僕も幸せだ。行こう。そろそろ本気で怒らないと、あいつら止まらないぞ」
大きな手のひらで背中を押され、XIIIと立夏が言い合う声がするリビングへ向かう。
「兄貴! いくら恋人だからって、XIIIを甘やかしすぎんなよ!」
「いい加減にしなさい、立夏。ブラコンが過ぎるぞ」
何だかんだ文句を言いつつデュアルのXIIIを受け入れて俺との関係を認めてくれる弟と、こんな俺を理解して見守ってくれる兄のような人。
「嫉妬深いオリジナルは黙ってて。のえる、愛してます」
そして、かけがえのない存在になった弟のデュアル。
俺はもう誰かを愛することを恐れない。
この『家族』がいてくれる限り、ずっとこの日々が続いてくれるって信じてる。
END
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