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「あのさ、感動の再会もいいけど、今日は俺のお祝いだって忘れてないよな!?」
玄関のドアが開いた瞬間、立夏がXIIIの長い髪を引っ張る。
「わかってるよ。でも、もう少しだけ」
「ふざっけんな! 俺と同じ顔で兄貴に変なことすんな!」
俺から離れようとしないXIIIの頭を、立夏が思いっきり叩く。
「変なことって? 例えばこういうこと?」
涙でぐちゃぐちゃになった目元をXIIIに舐められて、俺は驚きで肩を竦める。
「おい、くそデュアル。俺の前で兄貴に手出したら廃棄処分にしてやるからな!」
「立夏にそんな権限あると思ってるの? お前が今こうしていられるのは俺がいたからだろ」
「うるせえ! お前こそ俺がいなきゃ造られてねぇだろ! 兄貴、こんなヤツから早く離れろよ!」
「のえるだって俺に会いたかったんだ。ドア開けるの早過ぎなんだよ空気読めよ」
ぎゃあぎゃあと言い合う同じ顔の二人。
なに・・・、何が起こってる?
立夏とXIIIは面識が無かったはずなのに、会話を聞いていると親しい関係のように思える。
それよりも
「XIII、お前・・・廃棄されたんじゃ・・・」
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