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傍にある真っ白な顔を見上げると
「デュアルのくせに、なに夢見てんだって・・・思ってますか・・・?」
そう言って逸らされる赤い瞳。
俺は首を横に振る。
そんな風に思うわけないだろ。
「俺は・・・っ、XIIIの為に何もして来なかった・・・! なのに、お前はずっと・・・」
胸が張り裂けそうだ。
最後にXIIIがこの部屋を出ていった時、小野寺さんを振り払ってでも追いかけるべきだったと、廃棄されると知りながらなぜ研究所に向かわなかったのかと俺は後悔するだけだった。
「のえるも俺をずっと想っててくれたんですよね?」
「想ってただけで、俺は何も・・・」
「それがいちばん嬉しい!」
ぎゅううっと効果音を付けてXIIIが抱きついて来る。
「コラてめぇ! いい加減俺の前で兄貴にくっつくのやめろ!」
「嫌だ。なんならこのまま今すぐキスして押し倒してぐっちゃぐちゃのドロッドロに・・・」
「はあっ!? させるわけねえだろ! 離れろコラァッ!」
XIIIと立夏に挟まれて潰れそうになる俺。
いやいや立夏、意味は違うだろうけどお前さっき似たようなこと言ってなかったか?
そんでXIII、何だか立夏に性格が似通ってないか?
「はは、初見同士なのに仲がいいな二人とも。細胞が一緒だからかなぁ」
ケラケラと笑う小野寺さんはひとり呑気だ。
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