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この二人、これが初対面なのか!?
信じられない・・・
「も・・・もうやめろ! 俺潰れちゃうだろ!」
XIIIと立夏に挟まれて耐えかね怒鳴ると、同じタイミングで離れた二人は俺を挟んで睨み合う。
「せっかくの立夏の卒業祝いとXIIIが処分されていなかった奇跡が重なったのに、お前らがいがみ合ってたら何もかも台無しになるだろ!」
「だって兄貴! こいつ馴れ馴れし過ぎだろ!?」
「俺だってのえるの弟やってたんだからこれくらい普通だし。つーかもっと深い関係だったんだからな」
あーもう・・・埒があかない・・・
「立夏もXIIIもいい加減にしなさい。のえるが困ってるだろう? やっぱりのえるは僕の所へ来た方が幸せになれるんじゃないか?」
小野寺さんの言葉でぐっと押し黙るXIIIと立夏。
これって自惚れでしかないけど、もしかして俺、この三人に取り合われてる状況なんだろうか。
みんな同性ってのが若干不本意ではあるけど、こんな風に愛してもらえる日が死神の俺にも来るんだ、と思ったら何故かまた目頭が熱くなった。
「のえる、もう泣かないで」
「そ、そうだよ兄貴! XIIIとはなんとか仲良くするから!」
「・・・うん。ごめん、不謹慎だけど・・・なんか嬉しくて」
俺の左右でオロオロと慌てるXIIIと立夏が愛しくて、顔を上げれば微笑む小野寺さんが優しくて、笑わなきゃいけないと思ってはいるのに涙はしばらく止まらなかった。
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