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「あっ、はい。確か……まーちゃんと、ふーちゃんの指令か何かで、小学生の女児を誘拐監禁したって……容疑者が訳の分からない供述をしていたやつですよね」
「そう、そのまーちゃん、ふーちゃん」
――「すぐには分からなかったけど、先週、飛び降り自殺した4人目の女子高生は、7年前、あの事件で誘拐監禁された、その子なのよ」
明け方には似つかない程、高揚した声に、お笑い番組を見ながらソファーで寝落ちした夜を思い出す。
それからデスクは、警察は双子同様、後追い自殺に絞って捜査を進めていること、水色のジャケットを着ていたことを話してくれた。
そして、彼女はいつも最後に衝撃的なことを言う。
「当時も未成年なので公表されなかったけど、――その子の名前は、牧原茉莉亜。そう、容疑者の言う、まーちゃんなの……ねぇ、これって偶然かしら……」
確か、あれは……当時の記事を検索した。
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