溝口水晶の衝撃(2度も誘拐監禁された少女)

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  2014年12月24日クリスマス・イブ。  東京都八王子にある男の部屋から中1の少女が保護された。警察は話を聞くため、この部屋に住む会社員の森永弥里(モリナガミサト)(34歳)に対して任意同行を求めた。驚くべきことに保護された少女は2年前、福島県の人口数千人の小さな町で起こった「烏丸少将連続誘拐殺人事件」で約1ケ月余り誘拐監禁された女児(当時10歳)であった。  つまり牧原茉莉亜(マキハラマリア)は2回目の監禁だったのである。 「烏丸少将連続誘拐殺人事件」についての詳細は次の通りだ。  地元の小学校に通う当時5年生の女児が、朝、自宅を出たまま行方不明になった。その約1ケ月後、警察は同じ町内に住む流鏑馬信夫(ヤブサメノブオ)(32歳)という無職の男を誘拐監禁の容疑で逮捕した。男は自らを烏丸少将と名乗り、付近の小中学生の間では有名な存在であった。  捜査関係者によると、警察が流鏑馬容疑者の部屋に踏み込んだ際、女児は全裸で首にリードを付けられ床に敷かれた段ボールの上で横になって眠っていたという。さらには首に青い痣のようなものがあり、容易に絞められたことを想像出来たらしい。  そして、さらに捜査を進めると、その部屋から白骨化した子供の遺体のようなものが2体発見された。それは当時、同じ時期に消息をたった品川慎二君(6歳)と新井日向ちゃん(7歳)のものであると、DNA鑑定で判明した。2人には高いとこから落とされたような外傷があったという。
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