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ナイフを構えるコルネリアに構わず、男は金属製のコップと皿の載った盆を恭しく差し出す。皿の上に載せられているのは、保存食らしい硬そうなパンと、元は缶詰と思しき、肉と豆のペースト。それに、もう一つの皿には、ほとんど具らしい具の入っていないクリームのスープが湯気をあげていた。
「何か、変なもの入ってたりしない?」
「不安でしたら、毒見いたしましょうか」
男は、コルネリアの疑いにも嫌な顔一つせず、澱みなく言い放つ。その堂々とした様子を見る限り、コルネリアの害になるようなものを盛ったとも思えなかった。
こんなことで睨み合っていても仕方ない。コルネリアは「いいわ」とナイフを一旦テーブルに置き、寝台に腰掛けて盆を受け取った。湯気と共に漂う香りは、ここに来て初めて、コルネリアに空腹を思い出させた。
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