4話 昔話と滲む情欲

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「何を言われてここに来たのか知らないが、お前の村にはそういう歴史がある。フン、まさか男を寄こしてくるとは思わなかったが。いよいよ舐められたものだ」  想像以上の神に対する仕打ち、それを話す狼神の冷たい言葉に、咲真は言葉を詰まらせた。  どんな思いで今まで過ごされてきたのだろう。それを思うだけで、涙が出そうになる。  目の前の神様が深く傷ついているのを感じて、思わず大きな体を抱きしめた。 「神様は、愚かなんかじゃないです…!」 「お前に何がわかる」 「わ、わかります!」  狼神は、グルル…!と威嚇するように唸った。  とてつもない怒気を感じて勝手に体が震えだす。それでも咲真は続けた。 「だって、それでも加護を続けてくださるのは、史郎様との思い出を大事にしてるからじゃないですか…!愚かなのは、村人(おれ)たちだ…」  自分なんかに理解されても不愉快だろう。  それでも、少しでもお心を慰めたくて咲真は抱きつく腕を緩めなかった。 「神様はお優しいです」  「優しいだと?お前を奴隷のように働かせたのをもう忘れたのか?」
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