4話 昔話と滲む情欲

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 咲真の肌は日にさらされても赤くなるだけで、すぐに真っ白な肌に戻ってしまう。  村にいた頃からの食事量の少なさもあって、いつまで経っても女のようなか弱い体が恥ずかしかった。  組み敷かれた状態から動けず真っ赤になっていると、狼神の顔が再び近づき、咲真の耳元に舌が絡んだ。 「ひゃっあっ…!」  まるで美味しいものでも味わうかのように、じわじわと耳から首元を舌で舐られる。 「んっ…ふっ…」  くすぐったさと恥ずかしさでくぐもった声が出てしまった。  (なんか、ヘンだ。俺の体。どうしよう…!)  胸元に舌が下りてきて、むず痒い感覚に身をよじる。  狼神の目が怖い。このまま、食べられてしまいそうな―― 「だっだめ…」  思わず狼神の体を押しやったその時、西日が狼神と咲真を照らした。  洞穴の外を見ると、雨はもうあがっていた。  狼神はのそりと咲真の上から体を起こした。 「帰る」 「は、はいっ…」  咲真を背に乗せ、狼神は山道を登る。  なぜ咲真にあんな昔話をしてしまったのか。狼神は山の中を駆けながら考えていた。  そして咲真の白い肌を思い出す。あの肌を、もっと暴いてみたいと… (あの時私は、何をしようとした?)  咲真に対する自分の行動の理由がわからず、ブルルとかぶりを振って狼神は走る足を早めた。
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