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すると背後から狼神の体が密着して咲真の緊張をほぐすように耳朶を舐められる。
「まだ緊張しているのか?」
「お、恐れ多くて…ひゃっ」
きっとこれは、子供をあやすように、落ち着かせるようにするための行為。
それだけのはずなのに、最近おかしい。体が熱くなる感覚がある。
「犬と添い寝をしていると思えばいいだろう」
「そんな!できません…!」
狼神は人間の姿に変わり、自分のほうへと咲真を向かせる。
「この姿ならいいのか?」
「なっあっ…」
狼神は真っ赤になって顔を逸らした咲真の首筋を甘噛みして舌を這わせる。
水がはじけるような音と肌をくすぐる舌の感触に妙な気分になってしまう。
「やっあっ…あのっ…なんでこんな…」
「わからない」
(わからないって…!)
「ふ、真っ赤だな」
そう言いながらも狼神はやめてくれない。
下半身がむずむずする感覚に、神様の前で粗相をしてはいけないと必死に耐えながら眠りについた。
狼の時ならまだ大きな犬にじゃれつかれていると自分に言い聞かせられるのだが、時々人間の姿でこれをやられると夫婦の触れ合いをしているような錯覚に陥って、たまらなく恥ずかしく、困ってしまう。
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