6人が本棚に入れています
本棚に追加
夏の思い出の片隅に
「あの雲がアイスクリームだったらなぁ」
あまりの暑さにぼくは思わず呟いていた。今日も暑くて、冷たいアイスが食べたくて仕方なかった。けど、1番近いコンビニまで10分近く歩きたくないぼくは、ごろんとソファに寝転んだ。
「もしそう思うなら、森のお菓子屋さんの所に行ってみたら?」
「森のお菓子屋さん?」
お母さんの一言にぼくは首を傾げた。そんな話、聞いたことないぞ?
「そう。魔法を使えるお姉さんがやってる、お菓子屋さんよ。不思議なお菓子を作ってくれるの。きっとあなたのお願いも聞いてくれるわ」
「わかった! 行ってみる! そのお店、どこにあるの?」
面白そう。せっかくの夏休みだし、行ってみたい! ぼくはソファから飛び起きた。
「うちからちょっと歩いた森の中よ。お母さんは忙しいから1人でいってらっしゃい。気をつけてね」
ぼくはお母さんに貰ったお小遣いを握りしめて家を出た。
最初のコメントを投稿しよう!