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いや、実は、成人男女一人づつ、そして自動保育設備に入っていた乳幼児100人だけは神様が別の小さな星に転送しました。
放射能が地球を破壊する少しの時間では、いくら神様といってもそれが精一杯でした。
そこは地球のミニチュア版のような星でした、太陽も海も空気も緑も植物も魚も野生動物もいます。
地球にいた人間以外の生物は、この何年かで神様が全種転送していたのです。
しかし大陸は一つ、星の面積は地球の十分の一ほどです。
自動保育器に入っていた乳幼児は、冷凍母乳ですくすく成長し、やがて保育器から出て歩き出します。
たった二人の成人男女はその日を楽しみにしながら、一緒に転送された道具を使って畑を造ったり、魚を釣ったり、家を作ったりして過ごしました。
そうして半年ほど経った頃、一部の子どもたちは保育器からハイハイして出てきました。
子どもたちは肌の色も、目の色も、髪の色もバラバラでした。
でもそれはそれはどの子も可愛らしい姿でした。
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