【2000字掌編】永遠(とわ)に生きる炎

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 あの時は、クラスメイトのグループで嵐山へ来ていた。  みんなとはぐれていつの間にか涼香と二人きりで渡月橋を渡っていた。まだ顔見知り程度の間柄で、気まずさを隠すように、少し足早に歩いたことを譲は悔やんでいる。  結局、五山の送り火は二人で眺めることになった。  浴衣姿で髪を整える涼香の美しい仕草に、譲は妙な居心地の悪さを覚えて、布製の鞄から飴を取り出して彼女に差し出した。 「悪かったな、俺と一緒じゃつまらないだろう」 「そのキーホルダーかっこいいね」  鞄からぶら下がった星形のキーホルダーが、カラフルな七色に点滅するのを、涼香は楽しそうに見つめている。 「好きなアーティストのツアー記念なんだけど……大事にしてるんだ」  曲の名前を挙げると、「私も好きなんだ」と声を上げた。 「ずっと目印にしてたおかげで、迷子にならなかった。ありがとう」
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