御仏前に天使の囁き

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 「う…」  腹痛の痛みとはある程度共存関係を保っていたが、ここにきて新たな予感が動き始めた。  ヤバい…。  これは、屁が出る…。  しかもこの腸の動き、ガスは結構多めと見た。  マズイ、このままでは盛大にかましてしまう!  三密揃いのこの空間で!!  だが焦りは禁物だ。 自慢じゃないが俺は、『すかしっぺのマサ』という異名(自称)があるくらい、屁の音を消すのが子供の頃から得意なんだ。  この技は、この場でこそ最大限に生かせるはず…!  だがまずは、栓代わりに尻の穴に収めていた踵をずらさなければ…。  神妙な面持ちで足をずらしていると、バチっと坊さんと目が合った。 話を続けながら、何だか少し嬉しそうにうんうん頷いている。  あ、勘違いされたぞ絶対…。  俺の顔が亡き祖父を偲んでいるように見えたらしい。 話は孫たちとの交流にまで上手く繋がっていった。  あー、もう誰だよ!あと5分なんて言ったの!完全に過ぎてるよな?  何が天使のお告げだ…。  八つ当たりをしながら、俺の下半身後方は発射態勢が整った。 ゆっくりと、穏やかにポイントの筋肉を緩める。  スー…―― 俺にだけ感じる空気の流れが見事畳の上を滑っていく。
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