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陽介は慌てて、周りを見渡す。あちらこちらでクラスメート達が血だらけになりながらうめき声をあげている。
ぐちゃ、
陽介が起き上がろうとして手に力を入れたら、陽介の下にいるクラスメートの体から嫌な音がした。陽介がヌルヌルとした自分の手を見ると真っ赤になっていた。
「うわぁーー」
陽介は、恐ろしさに自分を保つことが出来なくなりそうだった。
と、そこへ…… ――
「やあ、こんにちは。君、僕と契約して魔法少女にならないかい?」
体が黄色くてプルンプルンした、不思議な生物が目の前に現れた。
「ごめん、おれ男だから」
陽介は不思議な感覚を感じながら、無意識にそう答えた。
「まあ、この際性別は良いんだよ。実はさぁ、魔法少女になる予定の子が今の大地震で死んじゃったんだよね。本当は瀕死の彼女の所に行って『僕と契約して魔法少女にならないかい』と言う予定だったのになぁ」
黄色いプルンプルンした生物は俺に無機質な目線を投げかけながらそう答えた。
「そうそう、僕と契約したら一つだけ願い事を叶えてあげられるよ。あ、大地震の前まで時間を戻すとかはちょっと出来ないけどね」
俺は、即答した。
「契約するよ、何でもイイから契約するよ。真子の命を戻してくれるなら、悪魔とだって契約してやる!」
「いやあー、僕は悪魔ではないけどね。悪魔を退治する側なんだけどね……。では、了解したよ。君の願いは叶えられたよ。君は今から魔法少女になるんだ――」
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