七夕の日

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「ねえ、あなただあーれ?」 ん?うっ…頭が痛い。おまけに目を開けたがぼんやりしていて視界がはっきりしない。 「んっ…いたい…なんだ、これ…」 視界が段々はっきりとしてきて、真っ先に目に入ったのは一人の少女だった。 「ねえ、あなたどこから来たの?」 金髪で長い髪、クリクリで二重の大きな緑の瞳、俺の目の前にいるのは間違いなく外国人。 「え、まって、思考が追いついてなくて、ん?これは夢だよね?だって俺寝たもん、確実に布団に入ってすぐ寝た。うん、寝た。絶対に寝た!これは俺の壮大な夢だ!」 と目の前の少女の質問など答えず、ベッドから起き上がり勢い良く立ち上がったと同時に少女は俺の足を踏んだ。 「いったあぁぁぁぁあ!」 部屋中に響き渡る俺の声。 なんだこれはとてつもなく痛いじゃないか。こんなリアルな痛み、夢だなんてありえない。めちゃくちゃ痛い。 「なにすんだよ!俺靴履いてないのに、そんな靴で踏むなよ!」 俺は俺のガタイのよい素足を程よいヒールのある靴を履いた華奢な足で踏みつけたその少女を睨みつけそう言ったが、少女はニコニコしながら俺の方を見ている。 「あなただぁれ?ここは私の部屋よ。いきなり空から降ってきたのはあなたの方。私の質問に答えなさい。」 「え、俺空から降ってきたの?え、なんで空から降ったのにここにいるの?え、ここまで運んでくれたのはもしかして君?救世主?え、やばいまだよくわかんない…」 俺は少女の一言に惑われされ、また思考をグルグル回転させたが、そんな俺を少女は“また足を踏まれたいのかしら?”と言わんばかりのニコニコ笑みで見つめてきた。 俺はまだ追いつかない思考と共に、空気を読むという自分の特徴から少女の考えていることを察知した。だが俺は自分を出すことを学んだことを思い出した。 こんな時だからこそ自分を出し、少女には屈するものか! 「お嬢ちゃんさ、俺が答えるよりもきちんと説明してくれないと、困るんだけど、」 「あ・な・た・だ・あ・れ?!?!?」 少女の華奢な足が一文字ずつ叫ばれた声と共に上がる。 「ごめんなさい、もう二度と踏まないでください。質問には答えます。」 俺は全力で日本の俺が知る限り最大級の謝罪表現“土下寝”をしてから少女に屈した。 初めから空気を読んで言いなりになれば良かったと後悔したのは言うまでもない。
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