女神を呼ぶのは、俺だ。

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そう思った俺は彼女が転んだ床を見つめた。 よく見てみると、床がところどころ滲んで不自然に盛り上がっていた……。 氷……? 俺はマコトの前に置いてあるプレートに目を向けた。 飲み終わったオレンジジュースのグラスに貯まっていたはずの、氷が……ない! 「てめえ」 俺は非難の目を向けた。 いくらなんでもこれはやりすぎだ。 「お前いくらなんでも手に入れたいからって、それはやりすぎだろ」 「……何が?」 マコトはうつむいたまま返事をしてきた。 「何がって。お前、グラスの溶けだした氷を、床にばらまいたな!」 ゆっくりとマコトが顔をあげる。 「証拠は?」 「は?」 「だから証拠は?」 「証拠って、あんなところにふつう氷水が放置されてるわけないだろ!」 「……いいがかりもよしたらどうかね」 ゆったりと、しかし力強い声。 その発する場所は、笑っていた。 ニヤリと笑っていた。 「公平とか言ってたくせに、イカサマやりやがって」 俺は誰しもが思う当然の言葉を投げつけたが、マコトはそれをさらりとかわした。 「イカサマはね、バレなきゃいいんですよ」 口どころか、目まで笑っている。
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