古傷

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「げ!師長にはバレバレかぁ〜」 「ずっと見てきたからねぇ」 「え?」 「なんでもない!さぁ飲もう」 「うん、飲む。  あ、同じのおかわりお願いしまーす」 「ていうかセンセイ、それ、ウーロンハイじゃなくてウーロン茶じゃん」 「大丈夫だよ、私、ウーロン茶で酔える体質だから」 「もう研修医じゃないんだから、そんなに呼び出しもないでしょ?」 「うん、そうだけど。何があるかわからんじゃん?大きな災害が起きるかもしれないし」 「あの娘が怪我して運ばれてくるかもしれないし?」 「は?なっ、なんで・・・」 「刑事なんだってねぇ、危ない仕事だもんねぇ」 仕事が危ないんじゃなくて アイツが危ないんだけど 「ちょっ待って!なんで知ってるの?」 「泣きながら喋ってたじゃん」 マジか〜 「いや、でもさぁ 今は、どうしてるかわからないよ。ずっと連絡ないし。案外、結婚でもして辞めちゃってるかも。それならそれで...」 「ふぅん、そういう顔して話せるようになったんだぁ。幸せになってるといいね!」 「そうだね」 「センセイも幸せになれるといいね」
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