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カブトムシのこと
会社の先輩にカブトムシをもらった。
「君のところに男の子いただろ」
そのころ息子の「パルマ」は高校生だった。
小学生ならともかく、もうカブトムシでは喜んでくれないだろう。
だがせっかくの厚意を無下にはできない。
性別不明の幼虫を4匹ほど引き取った。
息子は最初のうちこそ懐かしいと眺めていたが、2日で飽きてしまった。
「部活が忙しくってさ」
パルマは通りすがりに、飼育ケースをチラ見するだけになった。
妻の「マダム」は、虫と名のつくもの全般が苦手だ。
それでも腐葉土から出たり入ったりする芋虫をじっと観察していた。
興味を持とうと、努力してくれているのだろうか。
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