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~③~
ある日の夕方ー
「今まで、ありがとうございました。」
「こちらこそ、ありがとうございました。」
駐車場で、握手を交わした。
「あ~やっぱり、ダメだ。」
「え?」
「泣きそうなの、がまんするってツラいんだけど。」
「え?」
「佐島さんの前だと、どうしても気が緩んでしまうんですよ。」
涙を流しながら、オレを見つめてきた。
「佐島さん、好きです。ありがとうございました。」
いきなり、抱きつかれてびっくりした。
「5分だけ、このままで居させてください。」
何も言えなかった。
5分が経って離れようとした時、目が合った。
「あと5分。」
オレは、抱きしめ返した。
「え?」
「八嶋さん、好きです。」
「え?」
せっかく泣き止んだのに、また涙を流した。
「泣かないで?」
オレは顔を近づけ、彼女の唇を塞いだ。
あと5分。
いや、ずっとこのままが良い。
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