今日は僕の奢りで

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俊が落ち込みながらトイレから出てくると席には誰もいなかった。 "沙希さんは?" 慌てて店内を見渡す。 帰ってしまったのだろうか… 俊はため息をついて会計を済ませようとすると伝票がないことに気が付いた。 「あれ?…」 俊は顔を上げ会計の方へと目をやると沙希が手を振り「おーい。」と俊を呼んでいた。 俊は沙希の方へと歩いていく。 「もうお会計済ませておいたよ。今日は私の奢りだから。」 フフンと笑う。 「僕が誘ったんだからそういう訳にはいかないよ。」 と俊はこの期に及んで財布のお金が不足しているのに良いところを見せようとする。 「さすがにこんなに食べて払ってもらえないよ。」 「気持ちは嬉しいけどやっぱり悪いよ。」 俊の言葉に沙希は頭を横に振る。 「今日一緒に食事に来れて楽しかったからいいの。次回は俊くんの奢りね!」 いたずらっぽくいう沙希にまた次があるんだと俊は喜んだ。 喜んだ後に先程見た大量の皿の山が頭にチラつく。 "次は万札何枚か用意しておくか…" 俊はそう心に誓った。
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