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第一幕 四方をチェレステに囲まれたこの島で――――三宅島温泉
人が――死んでいた。
溶岩原の遠隔地で、だ。
かつて三宅島の町を呑み込んだという溶岩の野原――溶岩原――は、かろうじて学校の屋上だけが埋没せずに晒されている。
その屋上で、頭から血を流して絶命している者が居た。
当然、そこは立入禁止である。溶岩原を観光するための遊歩道からは離れており、行楽客の目も光っている。
いわば『衆人環視の密室』。
遠く離れた屋上での『遠隔殺人』。
一体なぜ、誰が、どのように、こんな状況を組み立てたのか?
そもそもの発端は、事件発生の数十分前に遡る――。
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