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「ねぇ、希空」
私を抱きしめながら、真宙くんは私の名前を呼んだ。
「いきなりだけど、オレが気付いてること言ってもいい?」
気付いていること……?
「……うん」
気付いていることってなんだろうと思いながら、私はそう返事をした。
「あのね」
うん……。
「青野美空もそうなんだけど」
青野美空……?
って、美空ちゃんのこと?
美空ちゃんがどうしたの?
「ほら、『青野』の『青』っていう漢字は『青色』の青でしょ」
「……? うん……」
「それで『美空』の『く』っていう漢字は『空』でしょ」
「うん……」
「それで『青野』の『青』と『美空』の『空』をくっつけると『青空』になるでしょ」
「あっ、本当だっ」
確かに『青野美空』ちゃんの最初の漢字と最後の漢字をくっつけると『青空』になる。
「それに気付いたら、もう一つ気付くことができて」
「もう一つ……?」
「うん、希空のこと」
え……っ?
「わ……私っ?」
「うん」
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