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西野は「ここがステージ裏」であり、「ライブの最中」であると言うことを思い出した。自分がいる場所は端で邪魔になりにくいとは言え、舞台袖。
出番はもう終わったし、俺は邪魔者になるのだと西野は気付く。
「あ、ごめんなさい」
思わずそう言うが、目の前にいるのが同じ部外者の香川だったことを思い出す。ちなみに、香川は顔を一ミリも動かすことなく西野を見ていた。
「お、思わず謝っちまったけどさ、お前も部外者で邪魔者じゃん!」
「部外者じゃなくて、かりんの関係者だけど」
その言葉を裏付けるように、「関係者」と書かれた首から下げているネームプレートを持ち上げる。
「あああああぁーーー、そう言うことじゃなくて。揚げ足とるみたいなこと言うなよ!」
むしゃくしゃした心のままに頭をくちゃくちゃにしようとしたら、ネットが引っかかって邪魔をしてくる。八方塞がりな状態に西野は、どうしようかと頭を抱えてない頭を捻ってみた。
すると、過去のことが頭の中で一本の糸につながり明確な真実味を帯びてきた。
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