アイドルデビューのその後。

ステージ裏で。

「なあ、香川。もしかして高橋かりんちゃんが、うちの学校の文化祭に来たのって・・・・・・」
「ああ、俺がいるからだよ」
「マジかよ！　そうかと思ったけど、その真実に自力で辿り着いたけど！　そんなのってアリかよ」

　先ほどのように癇癪を起こしそうになったが、ここは舞台袖だと理性を残して暴れることはなく、少し大きめに香川に問い詰めるだけに留まった。
　そんな西野に「流石に気づいたか」とギリギリ聞こえないくらいの声を漏らすと、香川は鉄仮面をそのまま崩さずに説明した。

「初めから俺らの学校って決まってた訳じゃないからな。
　今回のは凛花・・・こと、かりんのわがままが発端で始まった企画だったんだよ。無難な共学とかに行く予定だったけど、俺らの高校が応募したことに気づいたかりんが行きたいって譲らなくなったらしくて。
　ついでに、親戚もいるなら下手な共学よりも女子に不慣れな男子がいっぱいいる男子校のが安全じゃないかって話になって・・・、ああなったらしい」
「そうかよ、どうせ俺は女子慣れしてない男子ですよ・・・・・・。女の子に危害を加えるどころが、話しかけるのすら緊張しちゃう男子ですよー」