出会い

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それは、唐突な怪奇現象。 そのメールが届いたのは、放課後の帰り道。電車から降りたばかりのことだった。 何気なく開いてみると、そこには得体の知れない文字が並んでいた。古式ゆかしく表現するならば迷惑メールの類だ。 文字化けした文面からは何を伝えたいのか分からず、私は少々の気味悪さを覚えた。 暗号というには不規則。チェーンメールというには用をなしていない。 『3えくぇ3えくぇ3kvし3えくぇ……』 変な電波でも偶然拾っただろうか。 さっさと見なかったことにして画面を閉じようとした瞬間、瞬くように文面が発光したように見えた。 「え……」 一瞬の出来事に私は目を見張った。 見間違いだろうか。それとも、操作を誤ってリンクに飛ばされてしまったのだろうか。 画面は今ではメールのことを忘れたように白く濁ったページを表示しているだけ、得体のしれない寒気ばかりが自分を襲う。 「……今の、なんだったんだろう」 誰かとの話題に出そうとも、私には心配してくれる肉親も友達も存在していない。 むしろ、学校では苛められていて……今のクラスメイトからは透明人間のように扱われているぐらいだ。 彼らにとっては嫌がらせのつもりだろうか。 (……でも、) この高校に入学して以来、誰かにメールアドレスを教えた記憶なんかない。 私こと、八剣あざみは人に貧しい。 清貧の乙女だ。いや、高校生にもなって乙女と自分で名乗るのは流石に恥ずかしすぎるけれども。言い直そう。極貧のJKだ。 なんて、独り吐き出す。
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