第1章 大切な人

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 「私は裕美を最後まで幸せにできませんでしたが、裕美の幸せを心から願っています。 だから少しの間、そばにいさせてください。 見守らせてください。 もう裕美に何もしてやれる事はできないけれど、裕美が私の事から立ち直り幸せのきっかけを作れるまで見守っていたいのです。」  今ずっと見守っているのは私の彼女、裕美・・・ 正確には私はもうこの世にはいないので、私の元の彼女。 百貨店の店員をしている。  付き合いは、高校生のころからだから、7年付き合っていた。 私が亡くなってから裕美は悲しみに明け暮れていた。 そんな姿を近くでずっと見守ってきた。  そばから離れられない位落ち込み、涙を流していた。 こんな姿の裕美を見るのは初めてだった。  裕美は普段は明るく、私が落ち込んでいると、気付いて元気づけてくれる。 それくらい愛にあふれた人だったから。 その変わりように驚き、今は心配している。 だから目が離せられない。  こういう風に言うと、ストーカーかって突っ込まれるかもしれないけれど、私はもうこの世界にはいない存在なので断じてストーカーではない。 そこは声を大にして言っておこう。  確かにこんなにずっとそばにいて、見張っているみたいな事を現実にやっていたら、 確実にストーカーだろうけど。 だけど両想いだったんだからいいじゃないかと言って自分をごまかす。  「一緒にいたいんだ!」・・・ 話が逸れてしまった。
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