第1 愛しの

3/6
前へ
/11ページ
次へ
✩.*˚ ありがとうございました! 最後のお客さん かわいい女の子 高校生くらいかな? あんなに大事そうに袋抱えて 私は なんだかきゅんとした だって 春望さんの写真家また売れた そうまさにいま! あの子と私は趣味が似てる えっへへ 「美結」 満足して閉店準備をはじめたところ 蓮によびとめられた 「なに?」 「春望さん」 蓮はちょっと 戸惑ってる 「そんなに好きか?」 あたりまえでしょ? 私のスターだもん! 「春望さんはいてくれるだけでいいの!」 ごにょ ごにょ 蓮は 魔法使いが呪文唱えるみたいに 口の中で言葉をえらんでる 「あのさ 」 蓮が何かを言おうとしたとき 私のスマホが鳴った 「あ!五月」 五月(さつき)とはお母さんのこと 「はーい」 私はスマホをタップする 蓮は すこし 悲しそうな顔をした ? 私は五月との会話に夢中になってて そのときの 蓮を無視しちゃったんだ 後で聞けばいいやって 聞けばいいや 電話を切ると そそくさと片付けをはじめた蓮の背中をおって 私も片付けをはじめた 「蓮」 「なに?」 「ラーメンたべてく?」 本屋のはいってるショッピングモールのちかくに 美味しいラーメン屋さんがあるの! チャーシューメンが 最高! 寄ってこ? いや いいや 蓮は目をそらせると レジ上げをした 「じゃ!」 精算がおわって 蓮は 背をむけた おい! おい! なんか冷たくないか? 背中が妙に冷気ただよってるぞ 「腹痛いから帰るわ 」 え? いってなかったじゃん そんなの 私はちょっと不意をつかれた格好 「蓮てばさ」 「またあしたな 」 おーい! ぼっちでかえるのか? 私 再び鳴り出したスマホを握りしめて 私は唇をとがらせた 「ハイ!」 ちょっと乱暴に 電話に出ると 五月だった 「今日はアンタのすきな牛肉コロッケよ」 まじで? さっきの寂しさはどこへやら 俄然帰る気MAXの私である お気楽! 五月のコロッケおいしいんだ! るん! スキップしそうな勢いで ショッピングモールをでる 明日は コロッケパンにしよーかな 何て星空をながめた 「あ!」 流れ星 きらっと 煌めいて星は消えた
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加