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3 サイゼリヤの中へ
いろはが、生垣の上、ぎりぎり手が届くくらいの低い位置にあるサイゼリヤの看板目掛けて、矢を番えた。
なぜだろう。
しょぼかったはずの道具が、急に、今、この場でいろはに扱われるためだけに生を受けた神具のように輝きを帯びた。
いつも通り息を整えたいろはが、ぱっと手を離す。矢は綺麗な曲線を描いて看板に命中した。
「ほうら、ね。何事にも、それぞれに適した使い方があるの。ちゃんとしてあげれば届くものよ」
「左様でございますか」
とりあえず、アサヒ逃げて。
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