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『いつも頑張っているね、って。お巡りさんに褒められました。嬉しいな』
これに対して一斉に意地悪なコメントが寄せられ彼はホクホクだった。しかし。異なるコメントも見えた。
『エンジェルちゃん。えらい!』『私も応援してる』『悪口は気にするな』など彼女を擁護するものだった。こんな優しいコメントを送って来た人が今度は攻撃対象になっていった。
慌てた彼はエンジェルに文句が来るようにコメントを送った。
『みなさん。言いたいことは私にどうぞ。他の人を責めないで』
しかしこれが返って良い人に見えたようで彼女の株が上がっていた。
この日を境にエンジェルは人気者になっていった。
「すごいね。最近は」
「社長。また新記録更新ですよ」
夜の席で二人は相談していた。エンジェルは人気者になり彼女が使用するものは片っぱしから売れていった。
そしてデマまで流れるようになっていた。
「エンジェルが実在するってか」
「そうみたいです。これみてください」
ネットにはエンジェルとデートをしたと載っていた。しかし写真の女性は知らない女だった。
「放っておくとこの手の偽物はどんどん図にのりますし。それにデート代をとって要るようです」
「便乗商業じゃないか。どうするんだよ」
エンジェルのおかげで富を得た二人は、たとえ架空のキャラでも彼女を手放す気はなかった。生みの親の自負がある彼らは怒りさえ覚え対策を考えた。
「そうだ?僕と結婚したことにしないか?」
「社長とですか」
中年の社長は独身だった。彼は危険だと言ったが社長は納得しなかった。
「良いじゃないか。これはおふざけで全て空想だぞ」
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