シェヘラザード

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シェヘラが話終わってまだ眠そうでない日には、自分から司馬遼太郎や宮本輝の話をしたがり、やけに小説に明るいとは思っていたが……。 シェヘラの両目から大粒の涙が溢れ出た。 「えっえっ……ひっく、ひっく」 「いや、何も泣かなくても……。俺は別に気にしてないよ。毎日、話を考えるの、大変だったろう。俺が追い詰めたんだよね、悪かったよ」 「違うの! この私が盗作するなんて、自分がそんな汚い人間だったことが許せないのよう。それに、〇〇〇さんに比べたら私なんて……ほんとは、私の話なんて全然面白くなかったんでしょう? ひっく、ひっく」 「いや、面白かったよ」 「嘘よ、私、帰るわ。ひっく、ひっく」
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