第二章 隻眼のグルー

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 しばらくのち、グルーは決断した。 「我々は国をこのガザリアに作るつもりであったが、ここを離れ、テセを目指そう。あそこには薬草の秘密がいまだ隠されている筈だ」 「……だがテセとの国境には、ガザリアの国境警備隊がいる。奴らはなかなか手強いと聞く」 「なら、戦うのみだ……勝てば武器も手に入る、悪いことは無い」  グルーは不敵に笑いながら言った。  それは、恐れを知らぬ、いつもの自信に満ちた精悍なグルーの笑みだった。
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