第二章 隻眼のグルー

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 刻がまた少し経った。    病の者たち、異形の群れはいつしか数百人に膨れ上がっていた。一行はグルーの故郷、赤い花の平原があるズームグを遥か後にし、ガザリアの地を踏んでいた。一団は村々を襲い、ズームグの地と同じように、村の片隅に追いやられている病の者たちを解放すると仲間に引き入れた。  そして迫害していた者は、変わりなくグルーの短剣による一閃のもとに斬捨てられる。  村の民は軍に助けを求めたが、しかし、兵士は疫病の者どもに触れるのを恐れるあまり、容易に手出しができず、よってグルーたちの勢いを止めることをできかねていた。
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