再会

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再会

会社に戻ると専務の椅子が用意されていた。 父親が社長で兄貴が副社長だ。 家族経営の規模じゃないが、株の配当から言うと妥当な所なんだろう。 帰った早々、専務っていうのは やりづらい。 同期は、課長か係長どまりだ。 何となくずるをしてる気分だが、海外の支社を立て直ししてきたし… ここは、堂々としてるしかないな。 ただ、見た目が変わり過ぎて俺に気づく奴もいなくなった。 ちょっと太り過ぎた。 髭も伸びてるし‥.. メガネ掛けて白髪になったらカーネルおじさんだな。喜ぶべきか? 久々の社食でカツ丼を食べていた。 やはり日本食はうまいなぁ。 カツ丼と味噌汁最高だ。 「木村、ちょっといいか?」 こいつは、同期の山田だ。気さくないい奴だ。 「なに?」 よく俺だとわかったな。 「帰国早々悪いんだけど、今夜空いてないか?」 なんだよ? 「相談事か?」 「まぁ、そんなとこかな。」 「なんだよ。隠すなよ。」 「実は、出先の会社の受付の子に誘われてさ。 向こうは2人で来るって言うし… 後輩誘うのもなんかな。」 「そうか、同期は皆んな結婚してるな。 分かったよ。 俺で良かったら行くよ。 気になる子なんだろう?」 「アハハ。バレたか。」 そうゆう年頃だな。 山田はいつも良い人止まりでチャンスがなかった。 そろそろ身を固めないといけないな。 …… そう言えば… 俺もだ。
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