真夏の決斗

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真夏の決斗

「へんしーん」  ランニングをしている人々が汗を流す早朝の公園で俺は変身した。悪の秘密結社「優しくしてね」の怪人を倒すために。  もちろんいつものようにカップうどんにお湯を注ぎ、戦いが終わればすぐに食べられるよう準備をしてからの変身だ。  夏だからって冷やしうどんを食べたりはしない。熱々のカップうどんを暑い屋外で自虐的に食べるのも修行の一環だと思っている。  以前の俺は変身していられる時間は4分だったが、今では5分に伸びた。修行の成果だ。  パワーは上がってないが戦える時間が伸びたがら理論上は今までより1.25倍強い怪人と戦えるはずだ。  ただし変身するのに30秒、戦う時間が5分、戦い終わって元に戻るのに30秒かかるからカップうどんを食べられるのは6分後になってしまう。  でも大丈夫だ諸君、俺は知っている。  お湯入れ5分のカップうどんを6分後に食べても美味しいという事を。でもこの話をすると以前戦った怪人とのほろ苦い思い出が蘇るからこれ以上は勘弁してくれ。
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