たった一人のためだけの筋肉 1

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たった一人のためだけの筋肉 1

 離れてしまっていた身体が戻って来る。ぬるくなりかけていた二人の熱がまた上がる。  沢山キスをして、吐息を交わし合う。避妊具を手早くつけた瞬兄が“本当にいいんだな?”と聞いてきたので、私は黙ってコクンと頷いた。  入口に、屹立を宛がわれる。無意識のうちに視線がそっちに落ちて行って、私は目にしたものに思わず生唾を飲み込んだ。  待って、何と言うか、想像よりずっと大きい。  いや、今の体格に見合ったモノだとは思うけど、記憶の中の瞬兄からは想像もつかないサイズ感で。  瞬兄は、あのすらっとした頃からこんなものを隠し持っていたのだろうか。 「あぁっ」  そんな思考は、先端が潜り込んでいたその瞬間から飛んでしまった。  先を挿れられただけなのに、びっくりするくらい感じてしまう。まだ到達していない奥の方が期待に震えてひどく疼く。 「辛くなったら、言ってくれ」  押し込まれるものはひどく太く大きく圧迫感はすごかったけど、それよりは快楽がずっとずっと勝っていた。  押し広げられ、進められ、襞を捲られるその感触。  どれをとっても頭がおかしくなりそうなくらい気持ち良い。  具合を確かめるように、あるいは私が苦しいのを我慢していないか確かめるために、瞬兄は進んではちょっと抜いてを繰り返す。  小刻みにされると堪らない。動きは小さくとも、質量があるから感触は強いのだ。  それに、コレに激しくされたらどうなっちゃうんだろうって期待が、勝手にどんどん膨らんでいく。 「ん、んぁっ、瞬兄ぃ」  慎重に押し進めて来た瞬兄だけど、最奥に到達した瞬間の感覚は力強くて視界に一瞬星が飛んだ。 「紗名ちゃん、紗名ちゃん」  そこからは、怒涛の勢いだった。 「あ、あ、あっ、やぁ……!」  激しく抜き差しされて、奥の入口をぐりぐりされる。私のことを知り尽くそうと、あちこちを探られ、少しでも鋭い反応を返せば角度を付けてどこを執拗に責められる。 「だめ、あ、そんなにされたらっ」  気持ち良い。気持ち良い。頭のなかが快楽で染め上げられる。  身体を重ねるのってこんなに気持ちの良いものだったっけ?
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