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たった一人のためだけの筋肉 4
他の誰かじゃなくて、私だった理由。
美人だとか優しいとか守ってあげたくなるからとか、そういう明確な言葉にできるものではないらしい。
でも、その言葉にできない部分に愛情がたっぷり詰まっていることは伝わって来た。
「ほら」
「ひゃう!?」
じんわりしていると、不意打ちでまた突き上げられる。忘れてた、めちゃくちゃナカに挿ったままだった。
「紗名」
瞬兄が今度は策士の顔で笑む。
「全部紗名のためのものだ。触って、撫で回して、好きにしていい」
手首を掴まれて、胸元に当てられる。力を込められると厚くて硬い。その下で、瞬兄の心臓がどくどく言ってる。
「――――私のことも」
順番が何もかもめちゃくちゃだ。
「触って、撫で回して、好きにしていいんだよ」
でも、めちゃくちゃでも、伝わるものは伝わってきている。
「瞬兄、好き」
もちろん、お兄ちゃんとしてではなく。
「えっ!? まだ!?」
次の瞬間、内側から押し広げられるような感覚がした。
嘘でしょ、まだマックスじゃなかったなんて。
「ごめん、無理。ホントマジで無理」
「ひ、あっ、んん――――っ!?」
瞬兄の動きは本当に激しい。突き上げられるだけじゃなくて、身体ごと揺さぶられて、色んな方向から刺激がくる。擦られれば擦られるほどナカは潤って、貪欲に瞬兄を求めてみせる。ぐちょぐちょと鳴り響く卑猥な音は、痺れた頭にとても効く。
気持ちイイ気持ちイイ、もっともっとして。
腰の辺りから抑えがたい痺れが上がって来ていた。どんどんと高みに上げられていく。
もうこの刺激に耐えられない。イっちゃう。
「あ、だめ、イっちゃ、もう、あぁっ――――!」
「紗名、紗名」
背を仰け反らせ、盛大に達してしまう。甘い痺れが手足の先まで回る。
「ぐっ……!」
きゅうきゅうと締まるナカで、遅れて瞬兄がぶるりと震える。
「あぁ……」
薄膜越しに感じる、吐き出された白濁の気配。びゅくびゅくと続く吐精の気配に、倦怠感と恍惚感が同時にやって来る。
「紗名…………」
ぼんやりとした頭のまま視線を上げると、瞬兄は優しい目で私を見つめていた。ぎゅっと抱きしめられる。広くてあったかくてすごくすごく安心できる。
立派な大胸筋に埋もれながら、こんな胸に抱かれて眠ったらとっても良い夢が見れそうだなぁと、瞬兄には見えないところで私の口許にはたっぷりの笑みが浮かんでいたりして。
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