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その後の雄っぱいもとい瞬兄 1
「やぁ、瞬兄ぃ」
甘い声が部屋に転がる。
週末だし泊りにおいでよ、と紗名に誘われたので、会社帰りにそのまま部屋に直行した。
と言っても実家の部屋ではない。そうではなく、この春から社会人になった紗名が借りている一人暮らしの部屋だ。
以前久々の顔を合わせた時、随分部屋がその、散らかってるなぁとは思ったが、どうやら引っ越しの準備をしていたらしい。
あの時完全に勢いで押し切って事に及んで、まぁでもその結果晴れて彼氏彼女の関係と相成った。
でもあれは賭けと言っていい行動で、最悪紗名に嫌われ、下手をしたら警察沙汰になってしまっていたかもしれない。いや、少しでも拒絶されたら即刻引くと誓って決めてはいたが。
「んっ、そんなに胸ばっか」
でも今、紗名はオレの腕の中にいる。いてくれる。
部屋に着いた途端これだ。夕食を用意してくれていると言うのに、それより先に紗名自身を食べ始めてしまっていた。
後ろから抱き竦める形で、Tシャツの裾から侵入し、すべやかな腹を伝ってその豊かな丸みを堪能する。
オレの胸の方が~なんて紗名は言うが、比べるようなものではない。紗名のふくらみは柔くて吸い付くようで気持ち良くて、毎度馬鹿みたいにその感触を愉しんでしまう。
「瞬兄っ」
頂きをきゅっと摘まんで虐めていると、抗議するように涙目でこちらを振り仰がれた。
元々紗名は身長も低い方で、だから昔からオレにとっては小さい女の子だったのだが、身体を造り変えてからは更に小さく感じる。抱き竦めれば、全部包み込んでしまえる。
そんな小さな彼女が、怖がらずに身を任せてくれるのが嬉しくて堪らない。
「紗名、可愛い」
その唇に食らい付けば、“可愛いって言えばそれでいいって思ってるでしょ”ともごもご主張しているのが聞こえたが、その声ごと食べてしまう。
頬の内側はぐるりと舐め上げれば、ぞくんとその身体が震えたのがオレの身体にも伝わって来た。
「んんっ、むっ」
顎に沿えていた手を、喉まで滑らせる。そうして優しく優しくと意識しながらそっと往復させる。
紗名は喉を撫でられるのも好きだ。気持ち良さそうに目を細めるのが猫みたいで非常に可愛い。
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