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「······あと5分待って下さい。」
これは私の口癖。
私は何でも飲み込みが悪く、理解するのが遅い上に、納得しないと次に進めないタイプなので、仕事でもプライベートでも、少し考える時間を相手に要求する。
「はい。了解しました。では、そのように進めさせていただきます。」
「うん。宜しくね。」
そう言って、ニッコリ笑う部長の顔にキュンとなる。
部長は私の憧れの人。
新人だった頃から、こんな面倒くさい私の事を何かと気に掛け、優しく接してくれる。
もちろん仕事もバリバリ熟すし、誰にでも優しくて、ルックスもイケメン。
なので、社内や取引先の会社にまで、ファンがたくさんいるらしい。
そんな部長と、薄暗いオフィスに今は二人っきり。この状況でドキドキしない方がおかしいだろう。
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