個人情報保護法

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「でも、他人の個人情報を盗もうとしているのは芹沢の方で、彼は尾行と言うれっきとした違法行為を実行してしまっているよ! つまり彼は既に被疑者である、出るとこへ出れば、なんら問題はないよ!」 「先生! 桑田京子さんと先生の事・・出るとこへ出ると、奥さんや第三者に知れちゃいますけど・・それでも問題は無いんですね⁉」 「そっ、それは困る・・それはいかん! それだけは避けなければだめです!」 「でしょ~先生・・意見が一致したところで先生、とりあえず先生の携帯の電源を切ってもらえます⁉ それと!・・これからしばらくは何が起こっても、その窓の上のアシストグリップは離さないでくださいよ!」  先に話したように片桐は何度か桑田京子のマンションに山本を送り届けたことが有る。 その時、横を走る鉄道のとんでもなく低い高架下道路を、片桐は覚えていたのである。 「おっと片桐君、ここは右折しちゃいかん! 幾らクーペだからって、あの高架は低すぎる、だめだ、ルーフが飛んじゃうよ!」    片桐は、その高架下道路を通り抜けるために、交差点の右折レーンで信号が変わるのを、ひたすら待つのだった。
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