京子のマンション

3/7

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「どこでもいいでしょ・・同業者の先生には教えてあげない!」  病院名を知られることで、いろいろ推測されるのが京子には煩わしいようである。 「そりゃそうと京子・・話が変わるんだが、良いかな?」 「いいわよ・・どうぞ」  京子は冷蔵庫の扉を開けると、2Lのペットボトルを取り出し、食器ケースからはグラスを二つ掴んで戻ってきた。 「先生、お茶飲むでしょ?」 「うん、飲む・・」 「はい、ここに置きますね・・冷たくっても良かったですか?・・」  2人はお寿司を食することで、暫くの間、無言の時間を過ごした。 そして幾つかのお寿司の味を楽しんだころ、再び山本が話し始めた。 「京子さんも知ってるよね? 私が週刊誌の記者に追われたって話し・・」 「そうね・・私と食事している写真を見せられたって、前に先生から聞いたことある」  「探偵社の片桐君に依頼をした辺りから、暫く尾行は治まっていたんだがね・・どうやらその記者さん、また悪い病気でも始まったみたいなんだな・・  今夜も片桐君が居なければ、ここのマンションも知られるところだったんです、京子さんも気を付けてくださいね・・おかしなことが有ればすぐに私に連絡するんですよ! よろしいですね!」
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加