京子のマンション

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「片桐さんて?・・いつも先生が話してくれる探偵屋さんの片桐さんのこと?」 「そうだよ・・そう言えば、その片桐君・・さっき、車の中で妙なことを言ってたよな⁉・・私の携帯の位置情報がどうとかって言ってたよな?」 「携帯のGPSのことじゃない?」 「そうかも、やっぱり京子さんは若いだけあってデジタルのこと、よく知ってるんだね。 私が山岳仲間と同じアプリを使って位置情報の共有をしているんだけど、まるで週刊エルベの尾行に関係しているようなことを云ってたんだよな⁉・・」 「その山岳仲間の中に、週刊エルベの記者の方が居るってことかしら⁉」 「そんな奴、居ないよ、だってうちの大学の先生だけの集まりなんだから」 「その山岳仲間って全部で何人いらっしゃるの?」 「心安い先生は3~4人だけど、全部で・・10人は居るのかな⁉」 「その中の一人が、エルベの記者に何らかの理由で協力しているってことじゃない?」 「なるほど、仲間の誰かが共有のパスワードを漏らしたか・・それとも携帯を貸しているとか・・そんなところだよね、京子さんごめん、そこのお茶取ってくれる?」 「こちらこそ、気が付かなくってごめん、そのコップでいい?」  京子は山本のコップにお茶を注ぎながら、思いつくままを言葉にした。
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