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「よかった! しっかりして下さいよ先生・・ 私はバツイチだし、今更失うものなんて何も無いけど、先生が困るんじゃないですか⁉」
もしかして山本の中では、片桐が車中で携帯の電源オフの指示をした意味が、もう一つ分かっていなかったみたいだ。
「そんなつれないこと言わないでくれよ、君だってテレビに出演している立場上、スキャンダルなんて、百害あって一利なしだと思うよ?」
「そりゃそうかも?・・雑誌社のインタビューなんて、私が話したことを好き勝手に切り刻んだ挙句、全く違う編集で掲載されていたことが有ったわ・・この業界ではこんなことが普通なんですって・・」
「へぇ~業界の事、よく知ってるね?」
「だって、前の旦那ってその業界の人みたいだったの・・」
「だったのって? どこの編集社って?」
「・・そういえば・・」
「どこ?・・なんて出版社なの?」
「そういえば、彼って自分の勤めている雑誌社の社名も教えてくれてなかったわ・・」
「もういい京子、以前の旦那さんのことを思い出させてしまって、すまなかった」
「・・別に、今は何とも思っていませんので!・・そう言えばあの人って自分の事はあまり話したがらなかったわね・・」
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